日時:2024年1月14日(日)10時~12時
会場:霞城セントラル22階 山形市市民活動支援センター 会議室B
参加者:9名(当事者7名、言語聴覚士2名)
【会長より】
あけましておめでとうございます。年明け直ぐの地震。被災に合った方々にお見舞いを申し上げます。被災の方々の不安の広がりの状況を、自分が吃音とわかった時の不安広がりの状況と重ね合わせてしまいました。突然の出来事に、何が起きたのか、ネットで調べて情報を集めることで「あれもだめだ」「これもだめだ」と益々不安になってしまい、絶望感に襲われていく。改めて、目先の情報に踊らされることなく、正しい情報を知り、総合的に判断していくことが大事だと思いました。
今日は、千葉言友会の千葉さんが来てくれています。始めに、千葉さんから『吃音当事者と電話リレーサービス』について話していただき、その後に参加者の方々とお話しし合うといった流れで進めていこうと思います。
【吃音当事者と電話リレーサービスについて】
電話リレーサービスとは、聴覚障碍者のために2021年7月からスタートしたサービス。
聞こえに不自由さがある方が、病院や飲食店やホテル等の予約を電話で取る時に、通訳オペレーターに依頼して、間に入ってもらい、代わりに要件を伝えてもらうサービス。24時間365日利用可能なため、急な病気の時救急車を呼ばなければならなくなった時なども利用できる。
このサービスを利用するためには、あらかじめ登録することが必要。通訳を挟むため普通の電話よりも時間がかかる。オペレーターはあくまで通訳者。利用者が伝えた言葉そのまま相手に伝える。利用者の中には、文字チャットを利用している方も多くいる。聴覚障碍者だけでなく吃音当事者も利用したら便利なサービスではないかと思われる。
このサービスの利用のためには、身体障害者手帳を持っていることが条件の一つ。吃音は2002年発達障害者支援法で、精神障害の中に吃音が含まれたため、精神障碍者保健手帳に含まれることになったが、このサービスは、あくまで聴覚に障害があるという、身体機能上不自由さがある方のためのサービスということになっているため、精神障碍者手帳は該当していない。
実際、吃音当事者でこのサービスを利用している方々の話や、アンケート調査では、とても便利、不安が解消される。美容院、お店の予約に利用している。等、高評価であった。吃音当事者は電話で悩み苦労している人はとても多い。このようなサービスがあれば、そのようなことで悩む必要が少なくなり、生活の質を上げられると思う。利用できるものがあるのならそれを使って、これまで躊躇して悩んでいた時間とエネルギーを他の事に充てられるようになると思っているので、今回皆さんに紹介した。
このサービスの今後の課題としては、オペレーターにあらかじめ聴覚障碍者ではないことを伝えておく必要がある。そうでないと、受け手側も聴覚障碍者と決めつけてしまう。電話先の要件によっては、本人確認ができないと断られることもある。また、精神障碍者手帳では申請できない。更に、現時点では、プライベートな内容に利用が限られており、法人や職場での導入が進んでいない。等の事が挙げられる。
【交流会・参加者から自己紹介や近況報告・フリートーク】
今日は電話リレーサービスの話を聞いたが、自分も電話をかけるのは本当に苦手。特に仕事では絶対かけなければならず、でも、かけられない。かけるのが怖い…と悪循環に陥っていたことを思い出した。このようなサービスを利用していくことで電話に対する恐怖心や不安が小さくなっていき、いずれは自分でかけられるようになれればいいのかなと思った。電話に対する恐怖心を持つ時間もったいない。電話に対する苦手意識のハードルを下げる意味では良いサービスと思いながら千葉さんの話を聞いていた。
交流会は初めての参加。前回、去年行われた『第1回山形吃音の集い』に参加してみて、参加者の多さにびっくりした。山形で吃音は馴染みが少ないと思っていたのに意外だった。吃音者だけでなく、言語聴覚士の方やことばの教室の先生や親御さん等、色々な方々もたくさん参加していて、山形でも、もっと情報とか広がって理解が増えていければいいな~と思った。今日は皆さんの話が聞きたいと思って参加しました。
他の県と比較して割と山形は、女性の参加者が多い感じがしている。そういう意味では参加しやすいかも。山形には女性だけの集まりというものはまだないが、全国にはある。 2月にはオンラインで交流会があるらしい。全言連のホームページ等覗いてみると情報が得られるかも。
成人してから吃症状が出て悩んでいたので、このような場があることは全く知らず、1年くらいは一人で悩んでいた。話が共有できる場ができてありがたい。良いなと思っている。
これまで出会った学校の先生には、吃音の知識がない人が多かった。先生のことばは子どもからしたら意味合いが大きい。もしかしたら、先生の方はそんなに悪気はなく、ただ無知だっただけかと思うが…。「朗読はスラスラ読めるようになりましょう」と言われて。それは無理と落ち込んだ。「お前は何しゃべっているかわからないから来るな!」と言われたこともあった。いまだに心に残っている。それは苦手な教科の先生だった。
言友会は、みんなに話せる場所でお互いに「ああ、そうだった。」と思いや経験を共有できる場ともなっていて必要な場と思う。思いを共有するだけでなく、人の話聞いて「ああ、そういうこともあるのか。」と気が付くこともある。参加して良かったと思っている。
今日で2回目の参加。前回、交流会参加して、今まで吃音の人と会ったことなかったから、不思議な感覚だった。と同時に安心感を覚えた。自部の居場所見つかった気がしている。これからも参加しようと思う。吃音のことを何とかしたいと思い、交流分析、ヒムセラピーの勉強をしている。その先生に「吃音治したい。」と言ったら、「治すとか治さないとかはあまり考えなくとも良いのでは。コミュニケーショは上手に話すことではなく相手と心を通わせられたかどうかということの方が大事。吃音だけじゃなく、自部の良い所にも目を向けたらと言われた。」また「わざと吃ってみたら。」とも言われた。そしたら逆に吃れなくなった。このような体験は、吃っても良いという意識を持つためには有効だと思った。もしかしたら、「治したい」と治すことに拘っていることは、「吃ることは悪いこと」と思っていることなのかもしれないと思った。幼少期からどもるのは悪いと思わされてきたから仕方ないと思うけれど。吃らないようにすることにばかり意識が向くが、わざと吃るのはむずかしい。
吃って良いと言われるとできない。職場の上司に吃音のことを伝えようとして話したときは吃症状が殆ど出なかったので「それくらい話せれば問題ないよ。」と言われてしまった。その様な場面でわざと吃ろうとしたが出来なかった。結局、理解されないまま誰にも言えない状況になってしまったが、今思えば、どんな症状で、どう配慮して欲しいのかまで考えて伝えられれば良かったと思っている。
・吃音に集中しない「吃るか吃らないかということに意識を向けないこと」「視野を広げること」が大事と思っている。電話応対多い。説明することも多い。電話は相手の姿が見えないので声の印象が大事と思い、余計にがちがちになってしまう。電話をかけなければならないのに、できずにずっと躊躇して、車の中で何時間も躊躇していたり、どうしても話せず、話す必要がある言葉を録音して流したりした。今はかなり楽になっているが、いまでも電話の前は緊張する、不安はよぎる。名前を呼ぶ時ものどが詰まるようになる。自分の症状は吃音ということがわかって、色々調べ始めると出来なことだけがみえてきて不安になった経験がある。
ヒポセラピーで良い先生と出会えた。治すことを肯定的に取られて受容。行動を起こしたから出会いがあったと思う。
前回の交流会は都合で出席できなかった。幼いことから吃音だったが、最も酷かったのは高校、大学の頃。自己紹介ができなかった。早口で話して誤魔化していた。その頃をなんとかやり過ごして30歳で落語初めた。それから良くなったかなと思う。これまで自分は吃らないコントロールをずっとして来た。「吃らないね。」とも言われるが、不安はいつもあった。交流会に参加して、接客業のバイトしている人がいることを知ったり、その頃の自分だったら絶対出来ないと思うことをやっている人がることを知ったりできた。吃音で苦しんでいる人が沢山いる事わかる。そして、多分自分が一番苦しんでいる時にこういう会があっても参加できなかったかもしれないと思う。せめて、こういう場に来ることができた人の役に立ちたいと考えている。職場では打ち上げや集まり等「宴席は苦手なので出席は配慮してください。」ということ言い続けて来た。しかし、去年からはそのような場を避けることを止めて出席することにした。そしたら、意外と吃っても良いなと思えるようになった。同じように悩んでいる人の受け皿になりたいと思っている。『どもフェス』では、吃音をテーに落語作っている人がいて、その人のネタをやろうと思っている。
話し合いの主な内容は以上です。
文責:今泉
【今後の活動について】
『どもフェス』開催!!
2025年3月20日(水)祝日 山形テルサ交流会室B 13:00~15:30
クラウドファインディングも開始されました。
お時間と興味のある皆さん、参加お持ちしています!
【次回 交流会について】
日時:2月10日(土)10:00~12:00
会場:霞城セントラル22階 市民活動支援センター 会議室B
参加は無料です。
※会場の都合上土曜日の開催となります。ご留意ください。
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