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2023年 11月交流会 開催報告

日時:2023年11月12日 10:00~12:00

場所:霞城セントラル22階 市民活動支援センター会議室B

参加者:8名(当事者4名 言語聴覚士2名 ことばの教室教員1名 親御さん1名)


〈参加者の自己紹介〉

  • 朝日町出身です。近隣の町にある『パレス松風』という温浴施設によく行きました。サウナもあって、特に浴室から見える景色が最高です。お勧めです。物作りの仕事で会社員をしています。物作りの仕事とはいえ、お客さん相手なので人前で話さなければならないことも多くあります。特にお客さんの名前を呼べずに困っていました。そんな時に宮城言友会に参加して、色々な人と話すうちに前向きな気持ちになれ、現在まで仕事を続けることができています。

  • 交流会は2回目の参加です。物心つく頃から吃音でした。会社員です。人前で話す業務が増えてきたことをきっかけにこのままでは駄目だと思い、前から好きだった落語を始めました。お陰で症状はかなり良くなりました。今は小学生を相手に自分の体験や落語を話す活動をしています。前回交流会に参加して以来、吃音のことを考えたり、これまでの人生を見つめ返したりしています。参加してとても良かったです。

  • 白鷹町から来ました。8月に朝日新聞で山形言友会ができたことを知りました。小さい頃から吃音でした。今は吃音の不安は91%無くなっていますが、10年位前までは吃ることに対して不安を常に持っていました。死にたいくらい辛い思いをしてきました。今はそれなりに克服できたと思っていますが、もし、今悩んでいる人がいれば、私みたいに徐々に治っていく人もいることを教えてあげたいと思います。小学校5年生の時に児童会副会長になりました。全校朝会で司会をするのが副会長の仕事でした。「これから始めます。」の「こ」が言えなくて、意識していくうちに難発になって、「吃らないようにリラックスして…」など自分に言い聞かせてもダメで、授業中も答えがわかっているのに手を上げられず、音読も辛かったです。朝会の司会で吃るとみんながクスクス笑ってそれでますます吃ってしまっていました。ですが、笑う人たちを憎むことはできませんでした。悪意を持って自分の事を見る人はいなかったので救われていました。中学、高校と吃音の悩みは深くなり勉強もできませんでした。大学に入って、下宿暮らしをしましたが、最寄りの駅名が言えず遠回りをするなど悔しい思いをしました。苦手な音を言わないようにしながら話すので、思っていることが伝わりにくかったり、回りくどい言い方になってしまったり、言いたいことを全て伝えることができませんでした。親にねだって高価な本を買ってもらったりもしたが効果はありませんでした。就職してからは、朝会で夜勤の申し送りをしなければならなかったのですがうまく言えず、他の人はみんなスラスラ言えているのに…と思って落ち込みました。苦手な音を使わないようにばかり気を付けて話をしているうちに、苦手意識が付いてしまって、そんな自分に失望していきました。それでも、歳を取ってきたら少しずつ楽になって来ました。45歳頃から吃音を意識することが減ってきたように思います。60歳頃には吃ることがなくなりました。吃音者は100人に1人いるそうですがそんなに沢山いるのかな~?と思います。過去を振り返ると同級生と同僚に1人いたように思いますがそれだけです。自分が吃る時は力が入ってしまっていて、話し方の問題もあるのかと思い色々やってみましたが、実際の場面ではなかなか治りませんでした。人の話し方の真似をしてみると意外と話しやすくなるな~と思うこともあります。このように、これまで吃音で色々辛い思いをしてきたので、こうやって集まって話すことで「自分だけでない」ということを共有したいと思って参加しました。

  • 言語聴覚士をしています。みなさんこれまで年齢を話されていましたが、年々自分の年齢がわからなくなっているので、年齢は不詳ということにしています。普段はリハビリの仕事をしています。吃音ではないけれど、仕事上では色々悩みがあって、昨年は心が病んでしまっていました。職場を変えたので、今は毎日楽しく仕事をしています。今後ともよろしくお願いします。

  • 小1の息子が吃音で、その関係でこの会に参加しています。息子は3歳頃から吃るようになって、福島の黒澤先生の所でお世話になっていた関係で、山形の集いを紹介していただき、それから参加するようになりました。皆さんと話をさせていただきながら、これから大人になっていく子どもたちも安心して大人になっていけるよう、色々話を強いて、これからも参加していきたいと思っています。よろしくお願いします。

  • 言語聴覚士をしています。仕事を始めたばかりの頃、吃音のことがよくわからず、仕事で吃音の方とお目にかかったらどうしようと不安に思っていました。そんな時に恩師に相談したら「当事者から学ぶのが一番ですよ。」と宮城言友会を紹介され参加するようになりました。皆さんの事をわかりたいと思いながら関わっていくうちに、言友会の存在意義の大きさに気が付き、教えてもらうだけではなく、何かお役に立ちたいと思うようになり、会の運営を手伝いながら30年近くになります。これまで東北にはこのような会は宮城にしかありませんでした。この度地元山形にできたので、今後は山形言友会にも参加させていただき、この会を継続していくためにお手伝いをしたいと思っています。

  • 小学3年の頃、朗読の時間に先生がクラス全員に、スラスラ読めるようになるまで練習しなさいと言って、グループ毎に皆で練習したことがありました。「つっかかったらチェックし合おう。」ということになって、自分はスラスラ読めないので、その度に指摘されて辛かったです。今なら「どうしてスラスラ読めないとだめなのか⁉」と思えますが、その時はそうは思えませんでした。今職場では気を付けて話をしているのであまり困ることはありませんが、決まりきったことを話す方が楽なのでフリートークになるとなかなか難しいと思うことがあります。それでも昔と比べるとかなり話せるようになったと思います。これまで、口の開け方をかえてみようとか、アナウンサーの練習本を買って練習しようとか色々やりましたがあまり効果はなかったと思っています。

  • ことばの教室で教員をしています。先日とても嬉しいことがありました。今井美樹のコンサートに抽選で当たって行ったのです。今井美樹さんの歌の中に人生№2のテーマソングといえる曲があります。その曲を聞きたいと期待して行きましたがなかなか歌ってはくれませんでした。このままコンサートが終わってしまうのかと残念に思っていると、なんと、アンコールの最後にその曲を歌ってくれて…とても感激して帰ってきました。改めて、元気をもらえる良い曲だと思いました。特に歌詞がいいです。お勧めします。


〈話し合い〉

それぞれの立場から、自由に話をしてもらいました。


≪前回の交流会に参加してみて≫

  • 前回交流会に参加して本当に良かったです。あれ以降、しばらく考えなかった吃音のことを色々考えていました。「この会を作ってくれてありがとう!」という感じです。吃音の当事者と話すのも初めてでした。前回の交流会では、「言いにくい音が先頭に着く会社で働いている。」とか、「就職活動でグループ討議しなければならない時に全く話せず焦った。」とか聞けば、「大変だろうに頑張っているな~」と思ったり、「〇〇でアルバイトをしている」と話を聞けば「自分だったら〇〇でバイトなんて信じられない。」と感心したり、色々な状況の人がいて、それぞれの事情がある中でみんな自分なりにやっていると思ったら感激しました。落語をしながら小学生に、吃音があったけれどこうやって頑張っているということを話していて、自分の中ではこのような活動を通じて吃症状が良くなっていると確信しています。吃音のことはここ数年間考えないで来ましたが、自分で蓋をしていたことに気が付きました。この会に参加して、自分を見つめ直すことができたと思います。これからはこの経験を発信して誰かの役に立ちたいと考えています。


≪子どもの吃音について≫

  • 子どもの発達や子育てについて相談を受ける職場にいるが、そこの職員でさえ吃音に関する知識がないと思っています。母が忙しいから子どもに吃音がでるのではないかなどと言われることもあるのが現状だからです。子どもに症状が出始めたのは、丁度私が育児休暇から復職した頃でした。症状はどんどん酷くなっていきました。「私が忙しくて子どもにかまってあげられないからだ。」と自分を責めて、本を買って勉強しました。主人も一緒に勉強してくれました。保育園の先生に相談しても「ゆったり育児して」とか言われるだけでした。親として出来ることはないのか色々探し、専門の教室にも通いました。そこでは、親のかかわり方のアドバイスが中心で子どもに直接関わることはなかった上に「もう終了で良い」と言われましたが子どもの症状は変わっていない気がして、子どもに直接何か出来ることはないかと探し、『リッカムプログラム』をやってみたいと思いました。そこで、福島の黒澤先生にお世話になることになったのです。今年4月からはことばの教室にも通級しています。今も子どもの症状には波がありますが、ことばの教室の先生と黒澤先生が情報を共有してくれているので良かったと思っています。我が子は幼稚園の時も小学校に入ってからも、友達からからかわれて話したくないということはありませんでした。むしろ話すことは好きと言っているくらいです。色々やってきて良かったと思っています。何より吃音の事を親子で話せることが良かったと思います。これから大人になっていく過程で悩むことは沢山あると思いますが、その様な時に、我々親は、子どもから相談してもらえる相手でいたいと思っています。でも、もし、親に話せないとしたら、そばに誰か頼れる大人がいて、それが言友会かもしれませんが、それを頼りにしながら乗り越えていってもらいたいと考えています。

  • 自分は親にここまでしてもらったことはありません。親と吃音のこと話したこともなかったです。親と吃音のこと話をできるのは凄く良いと思います。

  • 小学校の頃、名前が言えずに苦しんでいましたが、そのことを親に相談できませんでした。心配かけたくありませんでした。誰にも話せずに一人で抱えていると、凄く不安で、吃音のことをネガティブに考えてしまいます。誰かにわかってもらうことでそのような気持ちが減ってくると思います。先日、新潟で聞いた講演の中でも、親子で吃音について話すことで吃音についての正しい知識を持つことができ、友達からからかわれる等のことがあっても、その場で正しく説明できれば乗り越える力になると言っていました。


≪ことばの教室の事情について≫

  • 吃音のお子さんと係わり始めの頃は、吃音のことが良くわからず、「吃音=治してあげなければならないもの」との思いが強く、治してあげられなくて可哀そうと思っていました。今は、吃音を受け入れることが大事なこととわかってきました。親御さんから「子どもの吃音に触れないで欲しい。」と要望されることもありますが、『吃ってもいいんだよ』などの絵本を使用して話をしていく中で、吃音のことを話題にできるようになったことがありました。お子さんが自分自身の良さに気が付いて、その子らしく生きていける力を育てることが大切と思っています。

  • ことばの教室の教員も吃音の指導に関しては悩んでいると思います。教員自信が苦手意識を持っているかもしれません。吃音のお子さんは、得意なことを持っている子が多いように感じています。話すことが苦手な分、他のことが得意だったりするのかなと。優しく良い子が多いとも思います。お子さん方は学校行事が近づいたり、2年生の九九が始まったりするとプレッシャーで大変になることが多いです。そんな時は、担任に吃音がどういうものなのか説明して、お子さんが居心地良くなるようにしていく。お子さんにだけでなく、関わる大人にも柔軟に対応できるところが良いと思っています。お子さんの吃症状は2年生の頃に一番目立つように思います。ある時期を過ぎると少し工夫をするようになってくるから目立たなくなるのでしょうが、症状が出ないように工夫する苦しさもあると思い、症状だけに気を取られてはいけないと考えています。吃って話す方が楽な子、吃らないようにして話す方が楽な子、色々な子がいるからです。小学校の頃はもしかしたらそんなに悩まないのかもしれない、思春期の方が大変なのかもしれない。悩みが出る年代にサポートできる場があればと思っています。

  • 中高生の頃が一番きつかったです。ことばの教室を卒業してからが大変でした。今後は中高生のつどい的な場も必要になってくるのではないでしょうか。


≪吃音の歌事情について≫

  • 吃音の人は歌う時はどもらないと言われていますが、自分は音痴。だから、学生の頃の合唱コンクールでは、いつも口パクで、いい思い出はありません。

  • 合唱コンクールでは、呼び出されて練習させられていました。自分は他の人の歌声が耳に入ると歌いにくくなる。他の人の歌声ばかり耳に入ってきて、気になって歌えなくなる。

  • 歌うと吃らないと言われますが、自分も音痴です。練習しようと思って声を出すと吃ることもあります。人が目の前にいることを想定して練習するからかなと思っていますが、練習で吃った箇所は苦手意識を持ってしまい、本番では可能な限り言い換えてしまいます。


≪ST事情について≫

  • 吃音に関して自信をもってリハを行えるSTは少ないように思います。養成校で吃音の事をそんなに重要視して扱っていないこともあって、しっかり学んでいるとは言えません。でも、山形県言語聴覚士会への当事者や親御さんからの問い合わせは決して少なくはありません。残念ながら十分に対応できているとはいえない現状です。それでも小学生の頃はことばの教室があるから、そこで先生方に頼っていますが、問題が複雑化してくる中学高校時代を支えてくれる場所が無いので、なんとかしなくてはと思っていますが…。

  • 市町村でことばの相談を受けていると、吃音の方の相談を受ける機会もあります。そこで感じるのは「どうして欲しいのか」の内容が一律ではないということ。どう関わって欲しいのかは、一人ひとりに聞いていくことが大事だと思います。その中には病院にかかりたいという方もいて、そこの受け皿も作っていきたいとは考えています。耳鼻科というわけでもなく、小児科に回されたケースもあったりして。診断書や手帳を取りたいとなれば医師の存在は必要不可欠だが、理解ある医師がいないのが現状です…。


 話の内容は以上です。今回も話が盛り上がり、あっという間に過ぎた2時間でした。次回も皆さんの参加をお待ちしています。交流会は参加費無料、申し込みも必要ありません。

お気軽にご参加ください。みんなでワイワイ話し合いましょう‼

文責:今泉 彰子

【その他・情報】

◎ 山形言友会主催で『どもフェス』を企画しています。              

日時:令和6年3月20日(水)祝日  

場所:山形テルサ

※詳細は改めてホームページにてお知らせ致します。


◎ 山形言友会のリーフレットを作成しました。ホームページに掲載他、病院窓口や学校や福祉施設等に置かせてもらう予定。設置してもらえる場所があればお知らせください。



【次回交流会の案内】

日時:12月10日(日)12:00~15:00 

場所:霞城セントラル22階 市民活動センター会議室B

※お昼からの開催です。時間にお気をつけてください。

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